
寝る前に、少しだけニュースを確認する。
一つの記事を読み終えると、関連するニュースが表示される。
「もう寝よう」と思いながら、もう一つ。その次も気になって、気づけば30分以上スマートフォンを見ていた。
しかも見ているのは、事件や災害、景気、戦争、社会不安など、気持ちが明るくなるとは言いにくいニュースばかり。
なぜ私たちは、嫌な気分になると分かっている情報を見続けてしまうのでしょうか?
こうした行動は、近年「Doomscrolling(ドゥームスクローリング)」と呼ばれ、研究対象にもなっています。
「ドゥームスクローリング」とは?
ドゥームスクローリングとは、一般的に、ネガティブなニュースや不安を感じる情報を繰り返し探し、スクロールし続けてしまう行動を指します。
「doom」には、破滅や不吉な運命といった意味があります。
スマートフォンやSNSが普及した現在では、一つのニュースを読み終えても、関連する投稿や動画、別の記事が次々と表示されます。
そのため、
情報を確認する
↓
さらに気になる情報を見つける
↓
また確認する
という行動が続きやすい環境になっています。
特に、新型コロナウイルスの流行をきっかけにこの言葉が広まり、その後、心理学やメディア研究などでも注目されるようになりました。
2026年の研究では17件の研究を分析
2026年に発表されたスコーピングレビューでは、ドゥームスクローリングについて報告された17件の実証研究が整理されました。
これまでの研究では、ドゥームスクローリングの多さと、不安、ストレス、心理的苦痛などとの関連が報告されています。
つまり、ネガティブな情報を長時間追い続ける人ほど、心理的な負担も大きい傾向がみられているということです。
ただし、ここは重要です。
これらの研究から、
「悪いニュースを見続けたから、不安になった」
と一方向の因果関係を断定できるわけではありません。
もともと不安やストレスが強い人ほど、危険に関する情報を確認する回数が増え、その結果ドゥームスクローリングが多くなっている可能性もあります。
現時点では、両者が関連していることが示されていると考えるのが適切でしょう。
嫌なニュースなのに、なぜ気になってしまう?
人間には、危険や脅威などのネガティブな情報へ注意が向きやすい傾向があります。
これは心理学では「ネガティビティ・バイアス(Negativity Bias)」などと呼ばれています。
たとえば、
「この先どうなるのだろう」
「自分にも関係するかもしれない」
「もっと大きな問題になっていないか」
と感じれば、安心するために追加の情報を探したくなります。
ところが、その先でさらに不安になるニュースを見つける。
すると、
不安だから確認する
→ 新しいネガティブ情報を知る
→ また気になる
→ さらに確認する
という循環に入りやすくなります。
「楽しいから見続けている」のではなく、不安だからこそ情報から離れにくくなる場合があるというのが、このテーマの興味深いところです。
「ニュースを見ること」自体が悪いわけではない
もちろん、ニュースを見ること自体を避ける必要はありません。
災害情報や社会情勢、仕事に関係するニュースなど、必要な情報を知ることは大切です。
考えたいのは、
「必要な情報を得るために見ているのか」
それとも
「もう十分なのに、やめられずに見続けているのか」
という違いです。
特に、寝る直前にベッドの中でニュースやSNSを開くと、そのまま次々と情報を追ってしまうことがあります。
そんな方は、
ニュースを見る時間をあらかじめ決める。
必要な情報を確認したらアプリを閉じる。
寝る直前にはニュースやSNSを見ない。
スマートフォンを手の届かない場所に置く。
といった、自分から情報を止める仕組みをつくるのも一つの方法です。
「情報を入れない時間」を意識的につくる
現代では、スマートフォンを開けば世界中の出来事をほぼリアルタイムで知ることができます。
通勤中にニュース。
仕事中にはメールやチャット。
休憩中にはSNS。
帰宅して動画。
そして寝る直前までニュース。
便利になった一方で、私たちは意識しなければ、朝から夜まで新しい情報を受け取り続けられる環境にいます。
だからこそ、これからの「休む」には、身体を動かさないことだけでなく、
「新しい情報を入れない時間をつくる」
という考え方も大切なのかもしれません。
La HEADでは、完全個室の落ち着いた空間でパソコンやスマートフォンから離れ、目を閉じて、頭だけでなく首・肩・腕までゆっくりとケアしています。
いつでも情報を得られる時代だからこそ、すべてを追い続ける必要はありません。
「知る時間」と「情報から離れる時間」を分ける。
悪いニュースをやめたいのに見続けてしまうと感じたら、まずはスマートフォンを閉じる時間を意識的につくるところから始めてみてはいかがでしょうか。

