
誰かが「あくび」をしているのを見た瞬間、自分まであくびが出てしまった。
そんな経験はありませんか?
実はこの現象には、「伝染性あくび(contagious yawning)」という名前があります。
さらに不思議なのは、実際に目の前であくびを見なくても、あくびをしている映像や写真などがきっかけになって起こることがあること。
では、なぜ他人のあくびが自分にまで「うつる」のでしょうか?
あくびは「眠いとき」だけに出るものではない
そもそも、なぜ私たちはあくびをするのでしょうか?
あくびというと「眠いから出る」というイメージがありますが、それだけではありません。
起床後や就寝前、退屈しているときなどにも起こりやすく、覚醒状態が変化するタイミングと関連する行動と考えられています。
一方で、「あくびをする本当の理由」は完全に解明されたわけではありません。
脳の覚醒状態との関係など、現在もさまざまな研究が続けられています。
普段あまりにも自然にしている行動ですが、実はまだ謎が残されているのです。
「親しい人」のあくびほど、うつりやすい?
伝染性あくびについて、興味深い研究があります。
2011年、イタリアのピサ大学などの研究者が、成人109人を約1年間にわたって日常環境で観察し、480回のあくびの場面を分析しました。
研究では、あくびをした人と、それを見聞きした人との関係性にも注目しています。
その結果、伝染性あくびの起こりやすさには人間関係の近さが関連しており、
家族・パートナー > 友人 > 知人 > 他人
という傾向が確認されました。
つまり、まったく知らない人よりも、自分と親しい人のあくびの方が伝染しやすい傾向がみられたのです。
何気ない「あくび」に、人間同士の関係性まで影響している可能性があるというのは面白いですよね。
「共感力が高い人ほどあくびがうつる」は本当?
こうした研究などから、伝染性あくびには共感や社会的なつながりが関係しているのではないかと考えられてきました。
しかし、その後の研究では、それほど単純ではないことも示されています。
2014年、デューク大学の研究では328人を対象に、あくびをしている人の映像を見せ、伝染性あくびと共感性などの関係が調べられました。
その結果、あくびがどの程度うつるかには大きな個人差があったものの、共感性などの要因だけでは、その違いを十分に説明できませんでした。
そのため、
「あくびがよくうつる=共感力が高い」
と単純に判断することはできません。
年齢や注意の向け方など、さまざまな要因が研究されており、伝染性あくびの仕組みは現在も完全には解明されていません。
「あくび」という言葉だけでも出そうになる?
ここまで「あくび」という言葉を何度も読んで、
「なんだかあくびが出そう……」
と感じている方もいるかもしれません。
伝染性あくびは、目の前の人のあくびを見ることだけに限らず、あくびに関連する刺激によって誘発されることがあります。
つまり、他人の身体の反応を見た私たちの脳は、それをただ眺めているだけではなく、何らかの形で影響を受けている可能性があります。
しかも、その反応には人間関係や個人差なども関係する。
何気ない日常の現象ですが、人間の脳や社会性を考えるうえでも興味深い研究対象なのです。
施術中の「あくび」も気にせずに
La HEADでも、ドライヘッドスパの施術中にあくびが出るお客様はいらっしゃいます。
あくびが出たり、途中で眠ってしまったりすると、
「すみません」
とおっしゃる方もいますが、もちろん気にしていただく必要はありません。
La HEADでは完全個室の落ち着いた空間で、頭だけでなく首・肩・腕までを一体としてケアしています。
普段の仕事やスマートフォン、さまざまな情報から少し離れて、身体の力を抜く時間としてゆっくりお過ごしください。
そして次に誰かのあくびがうつったときには、
「なぜ今、自分まであくびをしたんだろう?」
と少しだけ思い出してみてください。
普段何気なく起きている身体の反応にも、まだ解明されていない脳の不思議が隠れています。
皆さまのご来店を心よりお待ちしております。


