
寝るときは、できるだけ静かな方がいい。
そう思っている方は多いのではないでしょうか。
一方、最近ではYouTubeや睡眠アプリなどで、
雨の音。
波の音。
風の音。
ホワイトノイズ。
などを流しながら眠る人も増えています。
実際に「音があった方が眠りやすい」と感じる方もいるでしょう。
では、睡眠にとって本当に良いのは「無音」なのか、それとも「一定の音」なのか。
研究を見ていくと、ポイントは単純に音があるかどうかではなく、「眠りを邪魔する音をどう減らすか」にあるようです。
そもそも「ホワイトノイズ」とは?
ホワイトノイズとは、さまざまな周波数成分を含んだ、
「サーッ」
という一定の音です。
テレビの砂嵐のような音をイメージすると分かりやすいでしょう。
ここで重要なのは、ホワイトノイズそのものに「人を眠らせる特別な作用」があると確立しているわけではないことです。
睡眠研究で注目されているのは、むしろ周囲の不規則な音を目立ちにくくする「サウンドマスキング」という働きです。
たとえば静かな寝室で、
突然、車が通る。
隣の部屋でドアが閉まる。
廊下から話し声が聞こえる。
外からクラクションが聞こえる。
こうした音が発生すると、普段は小さな音でも周囲が静かなほど目立ちます。
一定の背景音を流しておくことで、突然発生する音との落差を小さくし、気になりにくくするという考え方です。
ホワイトノイズで「入眠が約38%短縮」した研究
実際に、騒音環境でホワイトノイズを使用した研究があります。
ニューヨーク市の騒音環境に住む成人を対象とした研究では、通常の環境とホワイトノイズを流した環境で睡眠を比較しました。
その結果、ホワイトノイズを使用した条件では、眠りにつくまでの時間(入眠潜時)が約38%短くなったことが報告されています。
さらに、夜間に目が覚めたあと再び眠りにつくまでの時間にも改善がみられました。
つまり、周囲に不規則な騒音がある環境では、一定の背景音によって騒音を目立ちにくくすることが、眠りやすさにつながる可能性があります。
特に、
交通量の多い道路沿い。
繁華街。
集合住宅。
外の生活音が入りやすい寝室。
などでは、試してみる価値があるかもしれません。
では「静かすぎる寝室」はよくない?
ここは誤解しないようにしたいポイントです。
静かな寝室が睡眠に悪いわけではありません。
むしろ、周囲が静かで快適に眠れているのであれば、わざわざホワイトノイズを流す必要はないでしょう。
ホワイトノイズのメリットが期待されるのは、主に周囲の不規則な音が睡眠の邪魔になっている場合です。
つまり、
「無音よりホワイトノイズの方が睡眠にいい」
ではなく、
「不規則な騒音があるなら、一定の音で目立ちにくくする方法が役立つ可能性がある」
と考える方が正確です。
研究結果はまだ一致していない
ホワイトノイズについては、注意したい点もあります。
環境音と睡眠に関する研究をまとめたシステマティックレビューでは、ホワイトノイズなどの連続音によって睡眠が改善した研究がある一方、明確な効果が確認されなかった研究もありました。
研究ごとに、
音の種類。
音量。
流す時間。
対象者。
騒音環境。
睡眠の測定方法。
などが異なるためです。
そのため現時点では、「ホワイトノイズを流せば誰でも睡眠の質が上がる」とまでは言えません。
人によっては、ホワイトノイズそのものが気になって眠れないこともあります。
自分が心地よいと感じるかどうかも重要です。
雨音や波の音でもいい?
「サーッ」というホワイトノイズが苦手なら、雨音や波の音などを好む方もいるでしょう。
大切なのは、必ずホワイトノイズを選ぶことではありません。
雨音などの比較的一定した環境音でも、本人が心地よく感じ、突然大きな音が入らないものであれば、睡眠環境を整える一つの選択肢になります。
ただし、音量を大きくしすぎる必要はありません。
また、イヤホンを装着したまま眠るより、可能であればスピーカーなどを使って小さな音量で流す方が取り入れやすいでしょう。
タイマー機能を使って、入眠する時間帯だけ流す方法もあります。
大切なのは「静かさ」より、自分が安心して眠れる環境
睡眠環境を考えるとき、
「完全な無音にしなければいけない」
「ホワイトノイズを流した方がいい」
と一つの正解を求める必要はありません。
静かな環境ですでに眠れているなら、そのままで問題ありません。
一方、外の車や生活音が気になって眠れないなら、ホワイトノイズや一定の環境音を試してみる。
大切なのは「音をなくすこと」ではなく、「自分の眠りを邪魔する音を減らすこと」。
La HEADでも、完全個室の落ち着いた空間で、視覚や音などの環境にも配慮しながら、頭だけでなく首・肩・腕までゆっくりとケアしています。
日中はパソコンやスマートフォン、会話、街の音など、私たちはさまざまな刺激の中で過ごしています。
だからこそ夜は、自分が安心して眠れる「音の環境」をつくる。
周囲の生活音が気になって眠れないという方は、小さな音量のホワイトノイズや雨音などを一度試して、自分に合うか確かめてみてはいかがでしょうか。


