
マッサージを受けていると、
「だんだん頭がぼーっとしてきた」
「気づいたら眠っていた」
「終わったあと、頭までスッキリした気がする」
そんな経験はありませんか?
マッサージというと、「硬くなった筋肉をほぐすもの」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、私たちが施術を「心地いい」と感じているとき、身体だけでなく脳でもさまざまな反応が起きていることが近年の研究から分かってきています。
2026年には、これまでのマッサージと脳活動に関する研究をまとめた新しいレビューも発表されました。
47の研究から「マッサージ中の脳」を分析
2026年に『Journal of Clinical Medicine』で発表されたレビューでは、1990年から2025年までに行われた47件の研究が分析されました。
研究で使われていたのは、
EEG(脳波)
→ 脳の電気活動を測定
fMRI(機能的MRI)
→ 脳のどの領域が活動しているかを調べる
fNIRS(近赤外分光法)
→ 脳の血流や酸素化の変化を捉える
といった方法です。
つまり、「マッサージを受けるとリラックスした気がする」という主観的な感想だけではなく、そのとき脳ではどのような変化が観察されるのかが研究されているのです。
リラックス時にみられやすい「α波」
レビューの中で、複数のEEG研究から報告されているのが、α(アルファ)波の増加です。
α波は、眠っているときというより、起きていながら比較的リラックスしている状態でみられやすい脳波として知られています。
一方、一部の研究ではβ波やγ波の低下なども報告されています。
こうした結果から、マッサージによる身体への刺激が、単に筋肉だけではなく、脳の活動状態にも変化を伴う可能性が考えられています。
ただし、「α波が増えれば必ずリラックスしている」と単純に判断できるわけではありません。脳波は状況や測定条件によって変化するため、慎重に解釈する必要があります。
「気持ちいい」は、脳で感じている
では、なぜ身体を触られることが心地よさにつながるのでしょうか。
マッサージによって皮膚や筋肉に刺激が加わると、その情報は神経を通じて脳へ送られます。
脳では単に、
「頭を触られている」
「肩を押されている」
と認識するだけではありません。
fMRIを使った研究では、島皮質や前帯状皮質など、身体内部の感覚や感情、痛みなどの処理に関係する領域にも変化が観察されています。
つまり、私たちが感じるマッサージの心地よさには、皮膚や筋肉への刺激と、それを受け取って処理する脳の働きの両方が関わっていると考えられます。
「身体を触られている」のは同じでも、心地よいと感じる刺激と、不快に感じる刺激があるのも興味深いところです。
強ければ強いほど気持ちいい?
「せっかくマッサージを受けるなら、強いほうが効きそう」
そう考える方もいるかもしれません。
しかし、刺激は単純に強ければよいとは限りません。
今回のレビューでも、圧の強さによって神経生理学的な反応が異なる可能性が取り上げられており、中程度の圧でリラクゼーションに関連する反応が報告された研究もあります。
心地よさには、圧だけでなく、
触れ方、リズム、スピード、施術を受ける環境、そして本人がどう感じるか
など、さまざまな要素が関係します。
「痛いほど強く押す=よりリラックスできる」とは限らないのです。
身体だけでなく「感覚」に意識を向ける時間
仕事ではパソコン。
移動中にはスマートフォン。
休憩時間にはSNS。
私たちは一日の中で、絶えず新しい情報を受け取り、考え、判断しています。
そんな生活の中でマッサージを受ける時間は、スマートフォンから離れ、目を閉じ、「見る・読む・考える」から「身体で感じる」へ意識を移す時間にもなります。
La HEADでは、完全個室の落ち着いた空間で、頭だけでなく首・肩・腕までを一体として捉え、心地よい圧やリズムを大切にしながら施術しています。
マッサージの心地よさは、単に「筋肉を押されている」だけではありません。
皮膚が刺激を受け、それが神経を通して脳へ伝わり、私たちはその感覚を「心地いい」と感じています。
普段はたくさんの情報を処理し続けているからこそ、ときには目を閉じて、考えることから少し離れ、ただ心地よさを感じる時間をつくってみてはいかがでしょうか。
なお、2026年のレビューにはさまざまなマッサージ方法や対象者、研究条件が含まれており、研究間のばらつきもあります。そのため、特定のマッサージを受ければ脳に一定の変化が起こると断定できるものではありません。
一方で、「マッサージの心地よさ」を身体だけでなく脳から考えてみると、いつもの施術も少し違ったものに感じられるかもしれません。
皆さまのご来店を心よりお待ちしております。


