
最近、SNSなどでも目にすることが増えた「ツムラのくすり湯 バスハーブ」
緑色のボトルと独特の生薬の香りが特徴的ですが、一般的な香り付きの入浴剤とは少し違います。
バスハーブは、ツムラが販売する医薬部外品の薬用入浴液。
公式情報によると、有効成分は6種類の生薬から抽出したエキスで、温浴効果を高め、血行を促進することで身体を温める製品として販売されています。
今回は、そんな「ツムラのくすり湯 バスハーブ」について、配合されている生薬や研究を交えながら詳しく見ていきます。
実は50年以上続く「くすり湯」
バスハーブが誕生したのは1975年。
しかし、そのルーツはさらに古く、1897年に発売された「浴剤中将湯」にまでさかのぼります。
ツムラによると、前身となる津村順天堂で「中将湯」を製造する際に出た生薬の切れ端や粉を社員がお風呂に入れていたことが、くすり湯誕生のきっかけになったそうです。
その後、「科学的根拠のしっかりした入浴剤をつくりたい」という考えから、開発時には5年をかけてデータの収集・解析が行われ、1975年に現在のバスハーブが誕生しました。
長く販売されている商品ですが、昔ながらの薬草風呂をそのまま商品化しただけではなく、医薬部外品として設計されているところが特徴です。
何が入っている?6種類の生薬
バスハーブの有効成分は、
・トウキ(当帰)
・センキュウ(川芎)
・ハマボウフウ(浜防風)
・チンピ(陳皮)
・ハッカ(薄荷)
・カミツレ
という6種類の生薬から抽出した「バスハーブ抽出液」です。
例えば、
トウキはセリ科植物の根、
チンピはウンシュウミカンの果皮、
ハッカはシソ科の植物、
カミツレはジャーマンカモミールの花
などが用いられています。
これらを配合した生薬エキスによって温浴効果を高めるのが、バスハーブの基本的な設計です。
製品として認められている効能には、
冷え症
肩こり
腰痛
疲労回復
荒れ性
などのほか、神経痛、あせも、しっしん、ひび、あかぎれなどが含まれています。
ハッカやカミツレにはどんな研究がある?
配合されている生薬については、それぞれの植物や成分を対象とした研究も行われています。
例えばハッカに含まれるメントール。
メントールは、皮膚などに存在する冷感受容体TRPM8を刺激することが知られています。
この受容体は低温やメントールに反応するため、ハッカ特有のスーッとした感覚が生まれます。
また、カミツレ(カモミール)については、2025年に11件のランダム化比較試験をまとめたシステマティックレビュー・メタ解析が発表されました。
この研究では、カモミールを用いた介入によって、いくつかの炎症関連症状や痛みに改善がみられ、抗炎症作用の可能性が報告されています。
ただし、ここは分けて考える必要があります。
これらはメントールやカモミールそのものを研究した結果であり、
「バスハーブのお湯に入れば、同じ効果がそのまま得られる」
と証明した研究ではありません。
製品については、医薬部外品として認められている効能と、個々の成分についての基礎・臨床研究を分けて考えるのが適切です。
実は「湯船に浸かること」自体にも研究がある
バスハーブの成分とは別に、温かいお湯に浸かること自体についても研究があります。
2019年、テキサス大学などの研究チームが、入浴や温かいシャワーと睡眠について17研究をまとめたシステマティックレビュー・メタ解析を発表しました。
その結果、40~42.5℃程度の入浴やシャワーを就寝1~2時間前に行うことは、主観的な睡眠の質や睡眠効率の改善、入眠までの時間短縮と関連していました。
特に、10分程度という比較的短い入浴でも、寝つきが早くなる傾向が確認されています。
なぜ温かいお風呂に入ると眠りやすくなるのでしょうか。
入浴すると一時的に身体が温まり、その後、手足の血流が増えて熱が外へ逃げやすくなります。
その結果、就寝に向けて深部体温が下がっていくことが、自然な眠気につながると考えられています。
日本人を対象とした研究でも、就寝1時間半~2時間ほど前に湯船に浸かり、入浴後から就寝前にかけて体温がしっかり下がった条件では、シャワーだけの場合より入眠時間の短縮や主観的な睡眠の改善が確認されています。
つまり、バスハーブを使う場合も、
「生薬入りの入浴剤」だけに注目するのではなく、ゆっくり湯船に浸かるという習慣そのもの
にも意味があると考えられます。
使い方は?たくさん入れればいいわけではない
ツムラ公式の使用方法では、浴槽約100~200Lのお湯に対して、
バスハーブ3~10mL
を入れて使用します。
キャップ半分が約10mLです。
「たくさん入れた方が効きそう」
と思うかもしれませんが、ツムラは用法・用量どおりに使用することを案内しています。
また、
・他の入浴剤と併用しない
・皮膚や体質に異常がある場合は医師へ相談する
・発疹、赤み、かゆみ、刺激感などが出た場合は使用を中止する
といった注意点もあります。
生薬の香りが特徴的なので、一般的なフローラル系の入浴剤とはかなり印象が違います。
昔ながらの「薬草湯」のような香りが好きな方には、特に楽しみやすい入浴剤かもしれません。
忙しい日の終わりに、
スマートフォンから離れ、湯船に浸かって身体を温める。
そこに生薬の香りを加える。
そんな昔ながらのセルフケアを、現代の生活に取り入れてみるのもいいのではないでしょうか。
La HEADでも、睡眠や疲労を考えるときに「寝る直前だけ」ではなく、一日の終わりに身体と頭を休息へ切り替える時間をつくることを大切にしています。
お風呂をただ身体を洗う場所ではなく、1日の緊張をほどく時間として使ってみるのもおすすめです。


