
ヘッドマッサージを受けるとき、
「強く押してもらった方が効きそう」
「硬いから、もっと強く揉んでもらった方がいいのでは?」
と思ったことはありませんか?
マッサージでは「強い=効いている」というイメージを持たれることがあります。
しかし、リラックスを目的にするのであれば、強ければ強いほどよいとは限りません。
マッサージの圧と身体の反応を調べた研究では、軽い圧と中程度の圧で異なる反応が報告されています。
「軽い圧」と「中程度の圧」を比べた研究
米国のUniversity of Miami School of Medicine(マイアミ大学医学部)のTouch Research Instituteなどでは、マッサージの圧によって身体や脳の反応がどのように変わるのか研究されています。
成人を対象とした研究では、マッサージを
軽い圧(Light Pressure)
と
中程度の圧(Moderate Pressure)
に分け、施術中の心拍数や脳波などを比較しました。
その結果、中程度の圧によるマッサージでは、心拍数の低下や、リラックスした覚醒状態と関連すると考えられる脳波の変化が報告されています。
一方、皮膚表面を軽く刺激するような圧では、中程度の圧とは異なる反応がみられました。
つまり、リラックスという観点では、ただ軽く触れればよいわけでもなく、ある程度しっかりとした圧が心地よさにつながる可能性があります。
「中程度がよい」なら、強いほどもっとよい?
ここで間違えやすいのが、
「中程度の圧でよい結果が出たなら、もっと強くすればさらによいのでは?」
という考え方です。
しかし、この研究はそうしたことを示していません。
比較されたのは主に「軽い圧」と「中程度の圧」であり、痛みを感じるような強い圧ほどリラックス効果が高まることを証明した研究ではありません。
むしろ、マッサージで大切なのは、刺激を受ける本人がどのように感じているかです。
「しっかり押されていて気持ちいい」
という刺激と、
「痛いけれど効きそうだから我慢する」
という刺激は同じではありません。
リラックスするためのマッサージなら、後者を無理に目指す必要はないでしょう。
なぜ「ある程度の圧」が心地よく感じられる?
私たちの皮膚やその下には、圧力や振動、皮膚の動きなどを感知するさまざまな感覚受容器があります。
マッサージによってある程度の圧が加わると、こうした感覚情報が神経を通して脳へ伝えられます。
マッサージ研究では、中程度の圧が副交感神経活動と関連する反応を引き起こす可能性などが検討されてきました。
また、2026年に『Journal of Clinical Medicine』で発表されたマッサージと脳活動に関するレビューでは、EEG(脳波)30研究、fMRI 12研究、fNIRS 5研究の計47研究が整理されています。
複数の研究で、マッサージ後にα波の増加やβ・γ帯域の低下などが観察されており、マッサージによる感覚刺激と脳の状態との関係が研究されています。
ただし、研究方法やマッサージの種類には大きな違いがあるため、特定の圧を加えれば必ず特定の脳波になる、と断定できる段階ではありません。
「ちょうどいい強さ」は人によって違う
そして、マッサージで忘れてはいけないのが個人差です。
同じ強さでも、
「もう少し強くても大丈夫」
と感じる人もいれば、
「少し強い」
と感じる人もいます。
頭皮や首・肩の状態、身体の大きさ、その日の疲れ方、もともとの刺激への感じやすさなどによって、心地よい圧は変わります。
さらに同じ人でも、日によって感じ方が違うことがあります。
だからこそ、数字で「○kgの圧が最適」と決めるのではなく、その人が心地よく身体を預けられる強さに調整することが大切です。
La HEADが「強く揉むこと」を目的にしない理由
La HEADでは、頭だけを強く揉むことを目的にはしていません。
頭部だけでなく、首・肩・後頭部・腕まで身体のつながりを考えながら、お客様の状態や感じ方に合わせて丁寧に施術しています。
強い刺激を我慢して受けるのではなく、
「しっかり圧を感じるけれど、身体の力は抜いていられる」
そんな心地よさを大切にしています。
「痛いほど強い方が効いている」と考える必要はありません。
研究から見ても、
軽すぎず、強すぎず、自分が心地よいと感じられる圧。
ヘッドマッサージでリラックスするためには、「どれだけ強く揉むか」よりも、安心して身体を委ねられる刺激かどうかを大切にしてみてはいかがでしょうか。


